夏の空~彼の背中を追い掛けて~
うわぁ~、ここが俊ちゃんの部屋かぁ~。
中央にテーブルがドーンと置かれ、壁には沢山の写真と煙草のパッケージが飾られている。
私はベットに座り写真を眺めた。
そこには男友達と写ったモノ、1人で写ったモノ、女の子数名が写ってるモノ…。
どれを見ても、皆と仲良しなんだなぁと思う写真ばかり。
そこに私が入る事は一生ない。
それが少し寂しく感じた。
「俊ちゃん、この写真貰っても良い?」
私は沢山の中から、1人で写ってる俊ちゃんの写真を指差した。
「えっ!?…こんなので良いの!?」
驚いた顔を見せた後、俊ちゃんは壁に飾られた写真を外す。
まぁ、初対面の人からこんな申し出されると誰もが驚いて当然。
何度も言うようだけど、私は俊ちゃんに一目惚れした。
だから例え引かれても、何か一つ位は恋した証が欲しかった。