夏の空~彼の背中を追い掛けて~
いつも私から【タダイマ】のメッセージを送って、やっと返信して貰える状態だった。
それが何!?
どう言う事!?
彼女になったら、こんなに嬉しい事をしてくれるの!?
私にとって俊ちゃんは、初めての彼氏でも、初Hの相手でも無い。
だけどこうして俊ちゃんとの初めてが増える事で、彼女になった事を改めて実感する。
これからも2人にとっての初めてが、どんどん増えていくと嬉しいなぁ。
家に着くと暫くは俊ちゃんとのメッセージ交換が続く。
それが落ち着くと今度は漣に電話を掛け、俊ちゃんと付き合うようになった事、産む方向で親に話をする事を報告した。
『親を説得するのは難しいと思うけど、頑張れよ』
「うん」
『彼氏も傍に居てくれるし、きっと大丈夫だよ』
「うん。色々と有り難うね」
『あぁ。じゃぁ、また明日…』
「また明日…」
電話を切る直前、普段よりずっと低く、元気のない漣の声が引っ掛からなくもなかったけど、私は気付かぬ振りをして電話を切った。