夏の空~彼の背中を追い掛けて~


首を傾げる私に対し、俊ちゃんは目を泳がせながら、肘で目の部分を隠す。



もしかして…照れてる?



「ヤバい…我慢出来ない…」



チラッチラッと辺りを見渡した後、俊ちゃんは私の唇にチュッと触れた。



それから堰を切ったように、何度も何度も唇を啄み、次第に深いキスへと変わっていく。



「……んっ…」



唇だけでは物足りなくなってしまうような熱いキスに、体が一気に熱を帯び、ゆっくりと私の腰も沈み出す。



すると俊ちゃんは私の腰に手を回し、崩れゆくタイミングに合わせて、一緒に腰を落としていく。



「ごめん…歯止めが効かなくて…」



「ううん…」



皆の死角になってるとは言え、屋外でこんなにも感情を露にしてくれる俊ちゃんの行動に、喜びを感じてしまう。



嬉しさを伝える為、唇にチュッとキスをすると、それは段々とエスカレートする。



でも、必ずタイムリミットはやって来る。



「俊ちゃん?もうすぐバスが来るよ?」



ヒョッコリ顔を覗かせた紀香が、時計と道路を交互に見ながら知らせてくれる。



「分かった」



返事をして立ち上がった俊ちゃんは、手を差し伸べて私を立たせてくれた。



2人でバス停へ移動すると、タイミング良く路線バスが停車する。





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