夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「はい…どうぞ」
「わぁ~有り難う♪」
私は俊ちゃんに手渡された写真を、鞄の中の手帳に挟んだ。
「ねぇ、俊ちゃんは○○工業の何科なの?」
「自動車科。俺、整備士になりたいんだ」
「へぇー、整備士さんて格好良いよね♪」
私は他愛もない話を始めた。
もしかしたら俊ちゃん的には、サッサと事を済ませたい。
そう思ってるかも知れない。
けど、私にはムード作りも自分から誘う様な事も出来ない。
ううん、分からないと言った方が正しいかも。
今、私に出来る精一杯の事。
それは……。