夏の空~彼の背中を追い掛けて~
エピローグ
俊ちゃんに会いたい。
凄く淋しいよ…。
もっと恋人らしい時間を沢山過ごしたかった。
クリスマスに俊ちゃんと会う約束をしなければ良かった…。
私が妊娠しなければ、運命は違っていたのだろうか…。
沢山の後悔が、どうしても消えてはくれない。
朝目が覚めてから夜眠りに就くまで、俊ちゃんを思い出しては涙を流し、『泣いちゃダメ!』と前へ進もうとしながらもまた涙を流す。
そんな毎日を繰り返すうちに、冬休みも終わりを迎えた。
「真弥、起きてる?今日から3学期でしょ?急がないとバスの時間に間に合わなくなるからね!!」
母の大きな声が、下の階から飛んで来る。
早く仕度して、学校へ行かなきゃ。
そう頭では理解しているけど、行動が全く伴わない。
無気力と言うか、脱け殻のような状態で何にもする気が起きないのだ。
私は俊ちゃんを亡くした悲しみを中々乗り越えられず、学校へ行けない日々が何日も続いた。
そんなある日の週末、紀香と俊ちゃんのお母さんが我が家を訪れた。
「突然お邪魔してごめんなさいね。どうしても真弥さんに渡したい物があって、紀香ちゃんにここまで案内してもらったの」
そう言いながら、お義母さんは鞄の中を漁る。