夏の空~彼の背中を追い掛けて~


『…。俺の事は忘れて良い。真弥には、自分が幸せだと思う道を進んで欲しい』



な……に言ってるの!?



俊ちゃんはもう、私を愛してないって事?



『そうじゃないよ。俺に縛られずに生きて欲しいって事』



私…俊ちゃんに縛られてるなんて思ってないよ?



『ホントに?心の何処かで俺を忘れちゃいけない。恋をしちゃいけないって、決め付けたりしてない?』



……。



し…てないよ?



『そぉか?』



そうだよ。



『真弥、もし誰かを好きになったら、その人の胸に飛び込んで良いんだからな?』



ヤダ!



何でそんな事言うの?



『…。真弥が泣いてる時、俺には抱き締める事も慰める事も出来ない。けどそっちの世界に居る人だったら、それが出来るんだよ…』



私が俊ちゃん以外の男の人を受け入れられないの、知ってるでしょ?



『あぁ、そうだったな…。真弥は、この先も恋をしなくて平気?心も体も寂しくない?』



うん、寂しくない。



だって、ずっと傍に居てくれるんでしょ?





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