夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「真弥、お母さんに電話した?」
あっ…紀香に話すの忘れる所だった!!
「うん。バイト先の店長から連絡があって、明日朝から行く事になったの…」
「えっ!?じゃぁお泊まりは!?」
「ん…19時頃、迎えに来るって」
「…バイトじゃ仕方ないね。それまでイッパイ楽しもう!」
紀香は飛びっきりの笑顔を向け、道路へ視線を移す。
私が落ち込みそうな時、嫌な事があった時、紀香はいっつも笑顔を向けてくれる。
その笑顔に私はいつも救われてきた。
有り難う。
「あっ、来た来た♪」
楽しそうな紀香の声に視線を上げると、坂の上にT○-Rが姿を見せる。
俊ちゃんと孝道君だぁ♪
勢い良く坂を下って来るバイクに、私は釘付け。
それを知ってか知らずか、急にスピードダウンさせた孝道君は蛇行運転を始め、俊ちゃんは後ろで踊り出す。
キャーッ、めっちゃ格好良い♪
益々、俊ちゃんに惚れちゃう♪