夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「元々、孝道がその気だったせいか、気になって仕方なかったんだろうね」
話しながら紀香が下を向いた為、顔から気持ちを読み取る事は出来ない。
けど、複雑な気持ちなんだろうなぁとは、何と無く感じる。
「紀香は…私と俊ちゃんがしちゃった事、嫌じゃない?」
私は思い切って、紀香に問う。
「別に嫌とか思わないよ?ただ、私には経験が無いから凄いなと思って」
凄い?
Hをする事が?
それともセフレが居る事が?
私が言うのも何だけど、ホントはそんなの居ない方が良いんだよ。
今の生き方に後悔はしてないけど、私は友達に同じ道は勧めない。
皆には、遊びではなく本気の恋をして、幸せを掴んで欲しいから。
「あっ、戻って来た」
紀香の言葉と同時に、2台のスクーターが私達の前で停まる。