夏の空~彼の背中を追い掛けて~


「やっぱコレじゃぁ追い付かない」



「孝道ちゃん、スピード出しすぎ」



そんな言葉を交わしながら、2人の男の子は私達の隣に座る。



すると、それを見計らったかの様にT○-Rが戻って来た。



「なぁ、今から皆で登らない?」



「「良いね~」」



バイクに乗ったまま話し掛ける俊ちゃんの意見に、皆が賛同する。



「良し!!じゃぁ決まりだな!」



T○-Rを降りた俊ちゃんは孝道君のスクーターに乗り替えた。



「紀………香…?」



アレッ?



何処へ登るのか訪ねようと隣を見るも、そこに紀香の姿は無い。



何処へ行っちゃったの!?



慌てて辺りを見渡すと、俊ちゃんの後ろに乗る紀香の姿が目に入った。



ズキンッ!!



苦しい位に胸が締め付けられる。





< 50 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop