夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「やっぱコレじゃぁ追い付かない」
「孝道ちゃん、スピード出しすぎ」
そんな言葉を交わしながら、2人の男の子は私達の隣に座る。
すると、それを見計らったかの様にT○-Rが戻って来た。
「なぁ、今から皆で登らない?」
「「良いね~」」
バイクに乗ったまま話し掛ける俊ちゃんの意見に、皆が賛同する。
「良し!!じゃぁ決まりだな!」
T○-Rを降りた俊ちゃんは孝道君のスクーターに乗り替えた。
「紀………香…?」
アレッ?
何処へ登るのか訪ねようと隣を見るも、そこに紀香の姿は無い。
何処へ行っちゃったの!?
慌てて辺りを見渡すと、俊ちゃんの後ろに乗る紀香の姿が目に入った。
ズキンッ!!
苦しい位に胸が締め付けられる。