夏の空~彼の背中を追い掛けて~
そこ…私も乗りたかったよぉ…。
『紀香、後ろ代わって♪お願い♪♪』
なんて言えたらどんなに良いか…。
図々しくそんな事を言える性格じゃないし、ましてやその資格さえ無い。
私と俊ちゃんは、ほんの数時間前に出会ったばかり。
友達と呼んで良いのかさえ怪しもの。
仕方ない。
誰かの後ろに乗せて貰おう!
とは言っても…誰の後ろに乗ろうか?
孝道君はT○-Rだから乗りにくいし、2人の男の子とはまだ話した事さえ無い。
乞うなったらここに残る!?
自問自答していると、ガッチリ系の人と目が合った。
「後ろ…乗りな?」
えっ!?
思わぬ優しさに、ちょっぴり胸がジーンとなる。