夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「良いの?後ろに乗っても」
「良いよ。俺の後ろで良ければだけど」
何て優しい人なんだろう。
『俺の後ろで良ければ』って、そんなの良いに決まってる。
「有り難う♪」
彼の言葉に甘えて、私は後ろに乗せて貰う事にした。
孝道君を先頭に、俊ちゃん&紀香・私達・小柄な子と続き、少し進んだ所で孝道君が停車する。
「ここがノンちゃんち」
孝道君が指差す方向には、大きな2階建ての家が建っていて、近くに茶色い犬が居る。
「ジョーン♪」
紀香が手を振ると、ジョンは嬉しそうに尻尾を振ってそれに答える。
うわぁ~可愛い♪
帰る前にジョンと遊べるかな?
ホンカワ気分でいると、バイクは直ぐに発進し、長い坂を登り始めた。