夏の空~彼の背中を追い掛けて~
車1台分しかない程の道を4台のバイクはどんどん進み、数十分後に開けた場所へ辿り着いた。
「ここ、夜になると夜景が綺麗に見えるんだよ♪」
俊ちゃんのバイクを降りた紀香が、私の方へと歩み寄る。
へぇ~夜景が観られるなら、いつか俊ちゃんと一緒に観たいなぁ。
「紀香、次こそはお泊まりするから、その時また来よう!!」
「うん♪」
暫くこの山で楽しい時間を過ごした後、私達は下山して俊ちゃんの家へ向かった。
6人全員が床に座るには部屋が狭い為、私と紀香がベットを占領し、ゲームに熱中する皆を黙って見付めた。
「ノンちゃん、交代しよう!」
コントローラーを握っていた俊ちゃんが突然席を立ち、もう片方の手で紀香を引き寄せる。
「私にはゲームなんて無理!下手なの知ってるでしょ?」
「大丈夫!ノンちゃんにも出来るって!!」
半ば強引にコントローラーを渡し、入れ代わる様に俊ちゃんが私の隣に腰を下ろした。