夏の空~彼の背中を追い掛けて~
気のせいではなかったと分かった途端、私の視線は俊ちゃんから離れ様としない。
そのまま見付めていると、フッと振り返った俊ちゃんの唇が私の唇に触れ、サッと離れていった。
へっ?
今…何が起きた?
一瞬の事で何だか良く分からないでいると、握られた手に力が入る。
「孝道、もっと分かりやすく教えろよ。ノンちゃんが困ってるだろ?」
「あっ、ゴメン…」
俊ちゃんの一声で、皆は更に画面に集中する。
「真弥…今日は有り難う。またしたいから次は必ず泊まりで来て…」
耳の傍で囁く様に話す俊ちゃんに、私の鼓動は一気に駆け出した。
「う…ん…」
そう答える自分の声が、何だか上擦って聞こえる。
「約束な!」
「うん」
私が小さく頷くと俊ちゃんはニカッと笑い、また唇を塞ぐ。
そして指切りする様に、何度も何度も舌が絡められた。