夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「俊……待っ…」
目の前に居る皆に気付かれない様小さな声を出すも、直ぐ様俊ちゃんに消されてしまう。
誰かに見付かったらどうしようと言うスリルで、私の鼓動はスピードを増すばかり。
拒む事も出来ないまま、俊ちゃんの唇が離れる迄キスを交わした。
「真弥、そろそろ家に戻ろっか?」
紀香の言葉に、部屋の時計を見ると18時を過ぎている。
もうこんな時間!?
「急がないと迎えが来ちゃう!!」
私は慌てて鞄を手にした。
「ノンちゃんも真弥ちゃんも、もう帰るの!?俺、今良い所なんだけど!!」
画面に視線を向けたまま、孝道君が焦りの声を出す。
「孝道はそのままゲームしてて良いよ。俺と隆明(タカアキ)で送ってく」
そう言って、ガッチリ系の男の子が席を立った。
皆に出会って数時間。
ここまで来て、やっと私の疑問が1つ解決した。