夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「真弥…有り難う…」
チラリと横目で私を見た後、陽人は顔を伏せる。
『有り難う』って…私は別に特別な何かをした訳じゃない。
ただ…体を重ねただけ。
「また来ても良い?」
耳元で陽人が囁く。
「うん…」
何だかくすぐったくて、私はそう答えていた。
陽人が帰った後、亜紀に電話を掛けた。
「真弥、セフレって言ってもそんなに悩む事なかったでしょ?」
「ん…セフレが出来て良かったのか悪かったのかまだ良く分からない」
「まぁ他にもセフレ作ればどうでも良くなるよ」
亜紀は軽くそんな事言うけど、簡単に増やせる訳ない。
ううん、増やす事にまだ抵抗があるの。