愛される気持ちなんて私は知らない。



「えくぼ。いつものオムライスでしょ?」


「うん。」


「恵美、オムライス2つね。」


メニュー欄も見らずに注文する私達。

外食といったら、ココ。

deliciousに来たら、オムライス。


決まっているといっても過言じゃないって程。



「あんたたちさぁ〜この店はオムライスの店じゃないからね?ハンバーグだってカレーだってあるのよ?たまには他の食べなさいよね。」

文句を言いながらも、顏が笑っている恵美さんに底知れない安心感を抱く。



周りを見渡すと私達以外に、老夫婦が一組とサラリーマンらしき男性が一人。


――あんまり人がいなくて良かった。
人がいたら、早く帰りたくて仕方なくなってしまう。特に同世代の子達。
他人の目をついつい気にしてしまう。



きっと私が自分の気持ちを知っているから余計、なんだろう。



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