もらう愛=捧げる愛
「緒方 ハルです。よろしくお願いします」


甘い香りまで漂ってきそうな艶のある声で再び挨拶すると、ウチのレセプトの井上主任が緒方くんに、あたしの左側にある机を使うよう促した。


甘いマスクの緒方くんの顔がほころんで



「よろしくお願いします、仁科さん」


と、一言。


えっ?


えっ?


…名前?


いきなり名前を呼ばれてフリーズするあたしに、緒方くんはあたしの右胸のネームプレートを指差した。
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