もらう愛=捧げる愛
「初音?まだ二日酔い?」


「うん…。ちょっと体調が悪くて…」


「具合悪いのに、オレに時間くれるんだ?」


違う。


「かわいいオレだけの初音」


違う。


「やっぱり…今日は出掛けられない…。来てもらったのにゴメンナサイ。今日はこれで、ね?」


「初音…?」


多田さんはそれ以上何も言わず、あたしの頭に手を置き、髪へ滑らせた。


「オレが傍にいようか?」


「ううん、いいの。少し休めば楽になると思うから。ホントに今日はごめんなさい」


「初音がゆっくり休めるんならそれでいいよ。また今度、ゆっくり、な?」


「うん…。ありがとう」


熱いキスだけを残し、多田さんは帰って行く。


あとはケータイとメールを3割無視。


それだけできっと気づくはず。


多田さんとは。


もう、おしまい。
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