もらう愛=捧げる愛
「昨日、休んじゃって。仕事、大丈夫だった?」


「うん。なんとかこなしたよ」


「そっか…。ね、今日は一緒にお昼しよっか?」


「そうだね。なんか午前中張り切れそうカモ」


「フフッ…。あたしも昨日の分、働かなくちゃ!」


休憩、って、一緒に砂糖だらけのコーヒーを飲む、ハルくん。


社食のハンバーグにたっぷりマヨネーズをかける、ハルくん。


ねぇ、ハルくん。


あたしはハルくんのその甘い瞳に、甘い声に、左手の仕草に救われてるよ?


勝手な想いだって、わかってる。


汚いあたし、許されない想い。


それでもあなたを想っていたい。


想いながら傷つくあたし。


自分の今に、過去に傷つくあたし。


そして。


多田さんに傷つけられる、あたし。


ハルくん、あなたにはこの心の傷を見せないから、どうか。


どうか、この片想いを許してください。


好き。


好き。


好き…だよ…。
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