もらう愛=捧げる愛
「じゃあ、お先に。お疲れ」


「お疲れ様でした」


井上主任が席を立つのを待って、あたしは急いで更衣室で着替えを済ませ、職員通用口でハルくんと合流。


「お待たせ♪」


「今日飲むだろ?車は置いてくから、タクシーで行こう」


「うんっ」


こんなあたしでも、やっぱりハルくんの隣は熱い。


同時に感じる胸のかゆみ。


この想いがあれば。


辛い多田さんとの繰り返される毎日からも、目を背かせる事ができるような気がした。


「この前のハンバーグでいい?」


「フフッ…。昼もハルくん、ハンバーグだったよね?」


「この前の初音さんの食べっぷり良かったからさ。たくさん食べて、元気つけなよ?」


元気…か…。


そうだよ、ね。


左隣で仕事をするハルくん、あたしの怯えた様子や溜め息の数で元気がないのもわかるよ、ね…。
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