【短編】死者は黙して語らず
真由美は携帯を片手に、メールに書かれた階段へと向かった。


まったく、あいつったらサカってばっかりなんだから・・・。

思わずクスッと笑ってしまった。



入り組んだ店の廊下を曲がったところで、真由美は誰かにぶつかってしまった。


「あ、すみません・・・」


二人が手にしていた携帯が廊下に転がる。


男性もびっくりしたようで、少し呆然となっている。



仕方がないので真由美は二つの携帯を手に取り、男性に渡した。


そのとき、ちらりとメール文が見えた。



『もうすぐあなたに会いにいくわ。



あと少し 』


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