【短編】死者は黙して語らず
『「死んでよかった」

雑居ビル火災犠牲者

事件後に飛び出した驚きの評判』



先日発生した●●市雑居ビル火災の犠牲者となったAさん(43)。
勤務先の社長が緊急追悼会見を行ったことでも話題だが、Aさんに関する不穏なうわさが聞こえてきた。

「後輩イビリ」

Aさんの部署は社内でも「虎の穴」「A道場」として有名だったようだ。
厳しい指導といえば聞こえはいいが、いわゆるパワハラ。
精神的に疲弊してやめていく新人社員も多かったようだ。

「最近のターゲット」

最近のターゲットは同じく犠牲者のBさん(24)だったという。
フロアにAさんの罵声が響き渡ることも多かったらしく、「部署の空気は最悪」だともっぱらの評判だ。

「遺体に不審な点?」

警察は公にしていないが、救急隊員からはAさんの遺体に関する不審な点が指摘されている。
それは胸を境に遺体の損傷状況が違っていたという。
顔や首は炭化に近く、身元判明が遅れた原因となった。
逆に腹や下半身には火傷はあるものの、程度としてはやや軽いものだ。
発見状況から考えるとそのような損傷はおかしい、というのだ。


今回のビル火災、まだまだ謎が隠されているのではないか。
警察の早い解決を期待したい。(U)

(週間●●●)
< 20 / 20 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

【短編】夕方6時の改札前。

総文字数/2,869

ファンタジー15ページ

表紙を見る
【短編】見ル・視ラレル

総文字数/4,556

ホラー・オカルト21ページ

表紙を見る
黒ユリのタンゴ

総文字数/64,910

青春・友情205ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop