【短編】死者は黙して語らず
ブルッという携帯の振動に、祐二は思わず声を出していた。



さっきから頻繁にメールが届いている。

祐二は差出人に大きな心当たりがあった。



恵のヤツ、相当怒っているみたいだな・・・。


3年付き合ったけど

やっぱり無理だった。


精神的にヤバイなんてわからないもんだ。


手首を切る、切らないでもめたこともある。

睡眠薬を飲まれたこともある。
(結局風邪薬だったが)


もううんざりだ、と別れを一方的に切り出して電話を切ったのが昨晩。



その晩はおとなしかったのだが、

さっきからメールが頻繁に来ている。


せっかく理香と二人で飲みに来たというのに。


仕方ない、ちょっとメールを確認させてもらうか。

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