【短編】死者は黙して語らず
金子は夜の路地を走っていた。


やばい。

シフト交代の時間を過ぎてしまった。


永井ちゃんにぼやかれるだろうなあ。


携帯をちらりと見る。


このままだと、約10分の遅刻。


携帯には、永井ちゃんからの怒りメールが入っていた。


『金子さん、10分だけなら待ってあげます。

10分過ぎたら、今度のシフト明けにご飯おごってくださいよ』


次の路地を曲がったら、店の前に出る。


金子はラストスパートをかけた。

< 8 / 20 >

この作品をシェア

pagetop