肩越しの景色

『煩わしかったから』

「え?煩わし・・・い?」

『うん、毎日女子たちに取り囲まれて
一方的に捲し立てられて・・・』

まぁそうだろう・・

『俺に付いて回ってどうしたいんだろ・・・
ちっとも休まらない。』

ん?

(煩わしくて、休まらない)

で?

「で?だから・・なんで?」

話しの繋がりが見えない。

『ん、だから一人に決めてしまえば、
解放されるかな・・と。』

は?

取り囲まれるのが煩わしくて

休まらないから・・一人に決める・・


それは所謂"ダミー"

それに選抜されちゃったのが私だと。

でも、それでも、私?

『たまたま・・あの時教室に居たのが、』

「私・・だった 、と。」


『うん、まぁ・・』と

歯切れの悪い回答。


あまりに、筋だかネジだか

ぶっ飛んだ理由に空いた口を閉じるのも忘れた。


そんな回避方法、思い切り自分本意ですよね?


呆れかえると同時に

笑いが込み上げてきた。
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