肩越しの景色
『おかえり』と、
(どぅだったの?栢原くんと!)という表情を
隠す事なく前のめりで迫ってくるみぃちゃんに
少し後退りしながらも、ゆっくりと頬の筋肉を
持ち上げて口を開ける。
「うん、取り敢えず・・・帰りの約そ・・」
(く、をした)と言いかけた言葉を被せるように
『えぇ~っ!帰り?一緒に?栢原くんと??』
場所も忘れて驚愕の怒号で叫ぶみぃちゃんの
口を慌てて塞ぎながら
(あれ?・・・でも、皆に彼女【虫除け】が出来た
事は知られたほうがカレ的には好都合?)
と、思った思考を
口を塞がれフゴフゴ言ってるみぃちゃんが
勢いよく塞がれた手を避けて
プハァ~
と、大きく酸素を吸い込んだ。
『そんな目立つ行動取ったら、明日から命ないよ
柯夏ちゃん・・只でさえランチの時だって.・・・』
と、心配顔。