肩越しの景色

『おかえり』と、

(どぅだったの?栢原くんと!)という表情を

隠す事なく前のめりで迫ってくるみぃちゃんに

少し後退りしながらも、ゆっくりと頬の筋肉を

持ち上げて口を開ける。

「うん、取り敢えず・・・帰りの約そ・・」

(く、をした)と言いかけた言葉を被せるように

『えぇ~っ!帰り?一緒に?栢原くんと??』

場所も忘れて驚愕の怒号で叫ぶみぃちゃんの

口を慌てて塞ぎながら

(あれ?・・・でも、皆に彼女【虫除け】が出来た

事は知られたほうがカレ的には好都合?)

と、思った思考を

口を塞がれフゴフゴ言ってるみぃちゃんが

勢いよく塞がれた手を避けて

プハァ~

と、大きく酸素を吸い込んだ。

『そんな目立つ行動取ったら、明日から命ないよ

柯夏ちゃん・・只でさえランチの時だって.・・・』

と、心配顔。




< 25 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop