肩越しの景色
突然の言葉に、(発声)というものを忘れた。

私の前に映る端正な顔も今は、

夕陽の逆光で表情は読み取れず

抑揚のない声からも、感情を問うのも難しい。


[え?・・・な・・に? 付き合って・・・って言ったの?今

放たれた言葉をゆっくり解釈し現実に戻る。

「何で・・え?私?・・・と?」

漸く口を開けば、クッと薄い唇で小さく笑った彼が

『何で・・って・・』

と僅かに口角を上げて微笑む。


『言わなきゃ・・・ダメ?』




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