肩越しの景色

私の名前は「綾里 柯夏」(アヤサト カナ)

今、目の前に立つ彼と同じ学校に通う二年生。

違うところは、私はどこにでもいる

極めて普通の・・・

もっというなら(地味)めな17歳。

自分のイケてなさは充分自覚済み。

比較されてきたから・・・

(しかも、男の子と・・っていうね)

女の子としてのプライドは四歳にして砕け散った。

生まれつきクルクルと跳ねまわり、

ひとつも落ち着いてくれないカールした髪。

身長も平均より少し低めな上に

少しぽっちゃりとした体型。

(女の子はそれくらい柔らかそうなほうが可愛い)と

言ってくれる優しい人もいるけど・・・

そんなの社交辞令もイイとこだ!

【お年頃の女子】には切実な問題なのよっ!

加えて、

緊張すると真っ赤になる

この頬もコンプレックスのひとつ。

幼稚園、小・中学校と

やんちゃで粗暴な男の子らの

格好の餌食だった。





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