暴走族と4才児!~second~
第10章 過去という名の楔
病室の中、重苦しい空気が漂う。
忍君は、ベッドの上で眠っていた。
「命に別状はありません。でも念のため、2・3日入院してもらうことになります」
お医者さんの言葉に、ひとまずほっと息をついた。
と、視線を感じてその方向を見ると、お医者さんが怖いくらいに真剣な顔で私を見ている。
「あ、あの・・・?」
「君が理央奈ちゃん、だね?」
「どうして私の名前を・・・?」
「少し、話があるんだ。いいかな?」
「・・・はい」
よく事情が分からないまま、部屋を出るお医者さんについて行った。