暴走族と4才児!~second~
忍side
病院に入院してもう一週間と少し。
最初は2・3日で退院できる予定だったのに、体調があんまり良くならないせいで長引いてしまっていた。
「はぁ・・・」
病院には何もないからつまらない。
「忍君!!」
「っ理央奈ちゃ・・・じゃない、空か」
病室に入って来たのは、同じく病院に入院している女子高生、空だった。
「これあげる!!入院してるおばあさんにもらったんだけど、私は食べられないから」
「ケーキ・・・いいのか?」
「うん、忍君元気ないからこれ食べて元気出して!!」
「ありがと・・・」
空は、心臓病を患っている。
俺が小さい頃ここに入院した時も、空がいた。
辛いはずなのにいつも笑っている空の明るさに、俺もこのままじゃいけないな、と改めて思わされる。
「ねぇ、その待ちこがれてる理央奈ちゃんはお見舞いにこないの?」
「・・・いきなり核心を突くなよ。それで今悩んでんだからさ・・・」
そう、入院してから一度も、理央奈ちゃんはここに来ない。