性悪彼氏
「え…「それより…なんで泣いてんの?」
私の質問には答えてくれないらしく、恭夜は自分の質問をしてくる。
「なんでもないよ…。
私帰るから……」
恭夜に掴まれていた腕を振り払いまた私は歩き出した。
「……菻子…」
ドクンッ…
呼ばれる名前。
高鳴る鼓動がうるさい。
きっと……
きっと久々に呼ばれたから…
「…な、に……?」
足を止める。
「…………ほんとに俺のこと嫌いになっちゃった…?」