私は生後三カ月
僕の答えを聞いて彼女は意味深な微笑みをした。


見つめる瞳が燃えるような赤に見える。
その不思議な瞳に僕は見入られるように引き寄せられた。


「違う」




催眠術にかかったような気持ちで
彼女の短い言葉を僕は聞く。




目の前に霧がかかっていく。




焦点が定まらない。




歪んでいく景色の中で
彼女の赤い瞳だけがあやしく光る。






「私は生後三カ月」


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