薔薇の花嫁
「アナベル」
顎を掴まれ視線を
あっ、何故か動けない。
私を抱き上げベッドに降ろし
「愛してる。アナベル…君は逃げられない。私の花嫁だから」
「ち、違う」
私に覆い被さり
口づけを繰り返す。
――
―
恐いはずなのに口づけは優しく…
胸は高鳴る。
知らず知らずにギデオンの髪に手を…
頭を引き寄せていた。
ギデオンの唇は痣を
「モナムール」
ハッ!
ギデオンから離れようと暴れる。
「君は私のものだ。この印と共に」
その声と共にギデオンは…いなくなっていた。