薔薇の花嫁



―――


――





えっ?


気がついたら男達が…倒れていた。


ソフィアは…


「ソフィア、ソフィア大丈夫?」


「彼女は大丈夫だ。眠っているだけだ」


えっ?


顔を上げると…


「ギデオン」


「先に彼女を家に戻す」


言い終わらない内に何かがソフィアを連れて行った。


「ソフィア~」


「心配するな。私の僕(しもべ)が無事に送り届ける」


ギデオンの僕?


私には見えなかった。


「モナムール。大丈夫か?何処を触られた?」


怖いまでの瞳


私を抱き寄せ


「アナベル?」


「だ、大丈夫。腕を掴まれただけ」


掴まれた腕を手に取って…口づける。


「ギ、ギデオン」


唇を離し


倒れている三人を一睨みすると風が舞い上がり三人を何処かへ


「あ、どうしたの、あの三人を?」


「何もしていない。お前の目に触れない所へ行っただけだ」


「ほ、本当に?命とか」


「あんな不味そうな血は誰も欲しがらない」


血?


…そうだ、この人はヴァンパイア。


慌てて離れようとすると


「逃げないで」


「……」


「帰ろう」


歩き出そうとするんだけど足が…動かない。


「フッ」


私を抱き上げて


「えっ?」


ギデオンが指を鳴らしたら


――





何がどうなったのかは分からないけど
気がついたら家の前に。


「モナムールアナベル。ゆっくりおやすみ。また夜に逢おう」


顔を上げた時には…もういない。



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