薔薇の花嫁



「私がおめでとうを言うとお前は嬉しそうに私の頬に口づけて…『王子様、お願いがあるの』と。私が何かと聞くと、お前は真っ赤になりながら『大きくなったら私を王子様のお嫁さんにしてくれる?』と」


そう確かに。


私からお願いした。

その頃の私は絵本に夢中な子供で自分もいつか「シンデレラ」や「白雪姫」みたいに王子様と結婚するのが夢だった。



「私がお前が18の誕生日に迎えに来ると言うと『約束ね』と私の唇に口づけた。だから私は約束の印に薔薇をお前につけた」


そう、この痣は婚約の印


「この薔薇が有る限り私はお前と共にいる」


「ギデオン…」




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