薔薇の花嫁
放課後
「アナベル、アイス食べに行かない?」
「うん、行く」
ソフィアを始め何人かの友達とお店を目指して
ドンッ!
「キャッ!」
誰かにぶつかった。
「失礼しました、マドモアゼル」
手を取って立たせてくれた。
「ありがとうございます、ムッシュー。此方こそ失礼しました」
相手の顔を見て
――
―
わぁ~
綺麗な顔
「大丈夫ですか?」
ハッ!
いけない、見惚れてた。
「は、はい。大丈夫です。ムッシューこそ大丈夫でしたか?」
「ありがとう。貴女は優しい人だ」
「アナベル」
ソフィアが呼んでる。
「友達が呼んでますよ」
「あ、はい。本当に失礼しました」
行きかけると
えっ?
手を掴まれ
手の甲にキスを
「ではアナベル、ご機嫌よう。また逢おう」
「……」
えっ?
『また逢おう』って…
振り返ったら…いない。