薔薇の花嫁



あっ!


東屋に居るのは


「こんばんわマドモアゼル。また逢えましたね」


「貴方…何故此処に?何処から入って来たの?此所は私の家」


彼の人指し指が私の唇に


「貴女が呼んだから…アナベル」


「えっ?私は呼んでなんか」


「じゃあ私が貴女を呼んだのかな、アナベル」


「…貴方は誰?」


普通こんな夜中に、それも人の家の庭に見ず知らずの人がいたら悲鳴でもあげて家族を呼ぶだろうけど…何故か怖さはない。


それはこの人の持っている雰囲気か。


長めの黒髪、肌の色は男性にしては透き通るような白さ。


瞳は漆黒。唇は紅く。


この世の者とは思えない美しさ。


男性がこんな綺麗なんて神様は狡い。




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