君の声を
優しさ
そんなことを考えていたら、あまり眠れないまま朝がきてしまった。
今日は授業も集中できなさそうだ。
「いってきまーす」
家を飛び出すと8時すぎ、
やばいあと15分もない。
必死に走っていると後ろから聞き慣れた声。
「おーあやじゃん。走ってたら遅刻するよ、乗んなよ」
自転車で自分の後ろを指さした皓太がいた。
渡りに船。
じゃなくて!
皓太の後ろ…
ちょっと緊張しながら後ろに乗る。
「あや、おちんなよー。」
「はーい!」
自転車の後ろからながめる皓太の背中は思ったよりも大きくて、皓太とのキョリをなんだか感じてしまった。