君の声を
ぽかーんとした皓太が見えなくなったころ、
“library”
と書いてある部屋に岡崎くんに抱えられながらはいった
「ね、ねぇ、なに…『笑ってんなよ』」
あたしを優しくおろしてくれた岡崎くんを見上げると、普段は見たこともない険しい表情をしていた。
「え…?なんのこと?」
あたしは髪を耳にかけながら笑った。
はぁ。
ひとつため息をついてから岡崎くんは視線をすこしずらして言った。
「辛いときは泣けよ、我慢すんなよ。なんであやちゃんは…。」
一瞬言葉を詰まらせてから、今度はあたしの方をまっすぐ見た。
「ねえ、俺じゃだめ?」