22歳で逝ったあなたへ
笠井が危篤。至急連絡して。
みんな働いてるし、すぐには返事がこなかった…


そして私の携帯が鳴った。ゆかからだった。ゆかも何があったか、さっぱり状況がのみこめてなくて、私も上手く説明できなくて…とりあえず言った言葉は
『ゆか…お願い帰ってきて。早く帰ってきて。笠井が死んじゃう…どうしよ…』
ゆかは、その言葉だけで会社を早退し新幹線で、こっちに向かってくれた。


笠井の到着を待っている間、どんどん笠井の友達が病院に押し寄せてきた。私の知らない笠井の友達。
大学での友達だろうか。

なぜかみんな黒のスーツ姿。
なんで?まだ笠井、亡くなってないのに、絶対、笠井は意識取り戻すのに…
私は、その人達に怒りが立ちこめた。

私が、それをなおに話すと、なおは
『今日は大学の卒業式よ』と言った。


そうだったんだ…今日、卒業式なんだ…だから、みんなスーツなんだ…


そして、ようやく笠井が到着した。
すぐにICUに運ばれた。
帰って来たからって、すぐには会えなかった。


時間だけが過ぎていき、待っていた時間は、すごく長く感じた。
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