22歳で逝ったあなたへ
会社に戻った私は無我夢中で働いた。
働く事しかできなかった。動きが止まると泣きそうだったから、とまらず手を休めず動き回っていた。


そして、夕方だったかな…私の携帯が鳴った。病院で待機してる友達からだと思ったら、ゆかだった。


『着いたの?』
私が聞くと、ゆかは
『うん、さっき着いて、今葬儀場に着いた。』


私の頭の中が一瞬、真っ白になった。

『ゆか…葬儀場って…』
『えっ?まだ連絡あってなかった?…笠井亡くなったって…駅に着いた時、連絡あって…病院じゃなくて直接こっちに来いって連絡あってさ。あたし間に合わなかった…間に合わなかったよ…』
そう言って電話口で、ゆかは泣いていた。


笠井が死んだ。


まだ信じられないよ。


でも何でだろう。
涙があとからあとから、こぼれてくる。


こんなのやだよ。

何で笠井なの?

世の中には、たくさん犯罪者みたいな悪人がいるのに、なんで笠井を、なんで笠井を死なせるの?


アイツが何したっていうんだよ…


神様ってのがいるなら聞いてみたい。

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