22歳で逝ったあなたへ
この葬儀場で一番広い会場だろう…

広い会場に、たくさんの椅子が並べられ、大きな大きな笠井の遺影が、掲げられていた。

たくさんの花が飾られ、よくテレビなんかで見る芸能人の、お葬式みたいな会場だった…

明日の通夜の準備はバッチリと言わんばかり綺麗に飾られていた。


そんな誰もいない会場に一人で一番前に座り笠井の遺影を、眺めている人がいた。

それは笠井そっくりの少年。
あっ一番下の弟か…

びっくりするくらい笠井そっくりで、笠井が生き返ったのかと思った。

ただぼんやりと一人で眺める後ろ姿が、ほんとにせつなかった。

三男は、次男とは全然性格が違い、辛い時は一人で、いるほうなんだろう。

顔も似てるけど性格も笠井に、そっくりだと思った。

声かけずに立ち去ろうとした時、あたしに気付いた弟が、
『あの…』
と言ってきた。
『あっごめんね。あたしえっと、お兄ちゃんの高校の同級生で…』
『知ってます。昔うちの、お兄ちゃんとプリクラとりませんでしたか?』
『あっ撮った事あるけど…』
そう言うと弟は、私の所に来て携帯を私の手の上においた。
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