22歳で逝ったあなたへ
別れ
ゆかは、どうしても仕事が休めず、また新幹線で帰って行った。
間に合わなかったけど、一目見れて、ちゃんとお別れが言えたからよかったと言った。


今日も、私はがむしゃらに働いた。

まわりの人達に心配かけちゃいけないと思ったから…

そして、また、なおと会場に向かう。私も、なおも明日は休みをもらった。


『今日は何か、偉い方の、お通夜ですか?』
とタクシーの運転手さんが私達に尋ねた。

『なんでですか?』
私達が聞き返すと、
『だってこれ…』
そういって運転手さんのみつめる先を見たら、その会場に入るための大渋滞が起こっていた。
『ここまで並んでるのは珍しいですよ〜政治家かなんかかと思って』
『私達の同級生なんです』
『え〜そりゃまた…若いのにねぇ』
『あの、このままじゃ、あそこまで着くのにかなり時間かかりますよね?私達ここで降ります』
そう言って私達は、かなり手前でタクシーを降り走って向かった。

会場に着いたら、もっとびっくりした。

人が、入れるスペースがあるのか?というくらいの大混雑。ロビーやら階段やら、あらゆる所に人人人。
これじゃ通夜の会場にはいるのさえ、できない。


< 25 / 40 >

この作品をシェア

pagetop