22歳で逝ったあなたへ
涙がとまらなかった。

お父さんの、死ぬなの声が頭から離れなかった。


絶対に親より先に死にません。
絶対に笠井の事は忘れません。

そう、何度も何度も心の中で繰り返し思った。


そうして通夜が終わり、笠井の家族は私達、友人の為の部屋を用意してくれ、いっぱい食べて飲んでいってくれ。息子も喜ぶから。と言ってくれた。

成人式以来、集まった高校のクラスメイト。

みんなで笠井の話をして笑い、泣き、そんな時間を過ごした。


みんな、少しずつ帰って行き、気がつけばいつものメンバーだけになっていた。

このまま笠井のそばに朝まで、いようかとも思ったけど、家族の人も、ゆっくりしたいだろうから…という事で解散することにした。

けど、みんななんとなくバラバラになるのが嫌で、結局、何人か、うちに泊まりに来た。


帰ってからも朝方まで、ずっと笠井の話をしていた。
その時は、泣く事より笑う事のほうが多かった。

共通の思い出って、やっぱり素晴らしいものだと思う。

一人の思い出を一人で思いだしても、そんなに楽しくないのに、みんなで共通の思い出を話すと、こんなにも楽しい。

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