22歳で逝ったあなたへ
でも、いつもなら、この中に笠井がいるのに。
笠井の声が聞こえない集まりなんて初めてだった。
だって、いつもいたんだもん。

俺も暇人だけど、お前も暇だなぁ絶対参加するもんなって言ってたのに…


私は、そんな事を考えながら横になった。

目をつぶる。

もしかしたら長い夢を見てるのかも、しれない。

目が覚めたら、いつもの朝であってほしい。

笠井が元気でいますように。
今日の事が全て夢でありますように。


そして朝がきた。

みんなが私の家にいる。
喪服姿で寝ている。

やっぱり夢ではない。


告別式には、まだまだ早い時間だったけど私達は家をでた。

笠井が早く来いよって言ってる気がした。


昨日とかわらず、一つ違いの弟は朝から元気で、
『おはよーってか何で昨日みんな帰っちゃったの?ここにいてよかったのに』
そんな言葉を私達にかけてくれる。


でも弟の、から元気が、見てて切なかった。

最後まで笑って兄貴を見送ろうとしてるんだ。

笠井…あんたの家族って何でこんなに、すごいの?


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