22歳で逝ったあなたへ
ちょっと緊張した様子の、お父さん、少し顔に疲れがみえる、お母さん、元気にふるまう弟。淋しそうな顔をしている末の弟。

そして、穏やかな顔で眠る笠井。

私は笠井のそばに行き、おはようと声をかけ、笠井がいつも吸っていたタバコを一箱、顔の横に置いた。

そのタバコには、一緒にとったプリクラを貼っていた。

今日も昨日と変わらず多くの人が集まり始めた。

でも今日は私達は身内の人達のすぐ後ろに、ずらっと横一列に並んで座った。


告別式は始まった。

始めに司会の人が挨拶をした。
この司会者は有名なアナウンサーで笠井がテレビ局でバイトをしていたため、仲が良かったらしい。
その人は、笠井くんとは笠井くんの結婚式の司会を僕が絶対すると約束していました。でも、こうやって告別式の司会をすることになり本当に辛いです。と言った。

笠井の結婚式…
あたしも、普通に行ってただろうな…

友人代表で送る言葉の手紙を小学校から大学まで一緒だった男の子が読んだ。

ずっと腐れ縁だった事や、思い出を話してくれた。

私の知らない笠井の顔が、その手紙からいっぱいわかった。

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