22歳で逝ったあなたへ
高校では、言われなきゃわからないくらい、上手に歩いてたから、私はその過去を知ったのは、ずっとずっと後の事だった。


笠井には一つ年下の弟と年が6つも離れた末の弟がいた。
末の弟の名付け親は笠井らしい。

笠井が高校の頃言っていた言葉を思い出す。
弟がマジで、かわいいと。私達が高校の頃小学生だった弟の事を、アイツはうれしそうに話していた。

家族話になると、いつも幸せそうな顔になる。

毎月の会の時、女の間で笠井の、お父さんが見てみたいと言って、お母さんにお父さんの写メをとってもらって、今送ってもらおうよ!って話になった時があった。
笠井は、いいけど、うちのお母さんかなりヤキモチ焼くから。と言っていた。

本当に両親が仲がよかったらしく、笠井はそれが誇りだった。

笠井が酔っぱらったお父さんを迎えに行った時、お父さんはずっと、お母さんの事を話していたらしい。
俺はもっともっと、お母さんを幸せにしてやりたいんだ。
そう、お父さんの口から聞いた時、本当にこの親のもとに産まれてこれて良かったと思えたそうだ。

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