22歳で逝ったあなたへ
ゆかが、専門学校を卒業し県外の就職先に行く時、私達は、送別会をした。
みんなで寄せ書きを書いて、渡して泣いて。

ゆかは県外に行ってからも、しょっちゅう笠井に電話をしていた。
また変な男にひっかかっただとか、気がついたら何時間も話こんでたらしい。
でも、ちゃんと聞いてくれて男の意見を言ってくれる笠井は県外に一人で行き心細い思いをしていた、ゆかにとって一番安心できる存在になっていた。


そんな時、ゆかから私に電話があった。

次の週末、笠井が遊びにくる事になったと。

私の部屋に泊まるんだけどさ、私、これを機に笠井と付き合ってみようかなぁって思ってる。いまさらだけど。ゆかは私にそう言った。

私は、うれしかった。あのメンバーからカップルが誕生するなんて思ってもいなかったから。


でも、笠井はゆかの部屋に泊まっても、何もしなかった。
お互い、やっぱ友達のままの方がいいと思ったらしい。


そんな話は、いつしかみんなの中での笑い話になっていた。

ねぇ笠井。あたしさぁ彼氏とうまくいってて、あんまし相談する事もなくなってたし、毎月1回くらいしか会わなかったし。電話もそんなにしなかったし、
< 8 / 40 >

この作品をシェア

pagetop