君だけに
「私もドリンクバーで」
ボタンを押すとすぐにやってきた店員に、西野はそうオーダーする。
「朝飯食べないの?」
「うん。そう思ってたんだけど、うっかり食べてきちゃって」
「それ、うっかりのレベルじゃなくない?」
西野は頬を赤らめて苦笑いする。
相変わらずの天然っぷり。
ほんと和む。
って、こんなことやってないで本題に入らないと。
今日、俺は一大決心を初めて人に打ち明けにきたんだ。
西野がカップにアップルティーを作る用意をして戻ってきてから、タイミングを見て俺は口を開いた。
普通を装ってたつもりだけど、少しくらいの高揚はばれてたと思う。