君だけに
「結婚、考えてるんだ」
一気に言ったものの、それ以上言葉が続かなかった。
でも西野は、結婚の「けっ」の当たりからもう、満面の笑みを浮かべていたように思う。
「そっかぁ!楽しみだね」
手放しで喜んでくれるのが嬉しい。
目的地にたどり着いたみたいにホッとして、気が抜けそうになったけど、本題はここからだ。
「それでさ、相談なんだけど」
「うん」
俺は考えていたことをまとめて話した。
西野はときどき、うんうんと相槌をうちながら、最後まで聞いてくれた。